ソアリング編2



 4月29日 今日は、9,000ft位にインバージョン(逆転層)がはっきりでている。 正午に上がったハイ・ステート(隣のクラブ)のニンバスが空港の真上、地上 1,000ft位の所で、延々と粘っている。「ニンバスがあれじゃ、こりゃだめだ」 他の意見では、「さすが、ニンバス」との声も聞かれる。 どうしようかな、 と思ったけど悲しい日本人のサガ、やっぱり飛んでしまう。 14時10分に、ディスカスで離陸。いろいろ考えたが、今日は、高くまで引っ張 っていってもらって、のんびり風景でも楽しむことにする。離陸して追随するが、 のりで貼り付けたように曳航が決まってしまう。視程も悪く、まるで濃いスープ の中を飛んでいるみたいだ。

 ここでは、切らずに付いていくとどこまででも上げてくれる。9,000ftまで何の動きもなっかたが、不思議と、9,000ftを越えたあたりで、擾乱を感じる ようになった。9,700ftで離脱。山の方へのばすと、プラスに当たった。 11,000ft位まで上がる。どうも山の方では、サーマルがインバージョンを突き抜けて、活動が活発になっているらしい。


[パインナッツ山頂をかすめる]

 高度がとれたので、空港の南東30Kmにある、パインナッツの山の方に南下する。 けっこう山の尾根あたりではプラスが強い。+8ノット位で上昇する。9,400ft の山の頂をかすめるように飛ぶ。これって、日本で考えると、富士山の頂上を かすめてるのと同じだよな、と思わず感激。この山にも雪が残っていた。山脈の 西側の盆地には、周りが真っ白に光っている湖があった。塩湖みたいだ。 今度は、山脈を北上する。途中山の写真をいっぱい撮った。空港の真東の山脈の 上で大きいプラスに当たる。13,000ftを越えても、まだ上がりそうだった。 残念ながら今日は、酸素マスクを持ってきていない。酸素無しで、13,000ft 以上、上がった経験がないので、それ以上、上がらないようにした。この日は、 3時間10分飛んだ。

 今日の教訓:ここでは、どんな日でも酸素マスクを忘れるな!


4月30日。
 今日も、ウエーブコンディションにならない。どうも、ジェット気流が北の方に 偏っているみたいだ。この日はキープ・ハイをテーマにして、4時間20分飛んだ。 ソア・ミンデンのオフィスの隣にはブラック・シープと言うパイロット相手の バーがある。フライト後のビールは最高!今日はメキシコ産のコロナを飲んだ。 (ライムの小片を瓶の中に落として飲むのがおしゃれ)

5月1日。
 今日も、サーマルデー。空域にもだいたいなれ、ディスカスにもなれたので、 今日はスピード・フライトのトレーニングをすることにした。12時3分に離陸、 北東の丘の上でサーマルをつかむ、最初のサーマルは、なるべくトップまで、 上がるようにしている。今日が今までの中で、一番上がりがいい。トップまで上 がったところで、パインナッツの山の方に向かう。約80ノットでクルーズ。 パインナッツからは、南西のアルパインの山に向かう。それから、 アルパイン・カントリー空港をめざす。ここはもうカリフォルニア州だ。アルパ イン空港に来たところで、再びパインナッツの方に引き返し、それから北上する。


[アルパインの山]

 山脈に西風が当たってできる上昇風と、山肌に日が当たって発生するサーマルが 一体となって、強烈なプラスを生み出す。この日の、最大のプラスは、アベレー ジで12ノットあった。ここに来て初めての積雲が北の方にできる。それをめざし、 北上し、デイトン・バレーの空港の方に向かう。空港の南の山で高度をロスって しっまった。山と同じ高さの、8,000ftまで落ちてしまう。プラスがバブル状で、 なかなかつかめない。もし、低くなっても、デイトンに降りればいいやと思いな がら、また山の方に戻っていく。数キロ引き返した所で、また、強烈なプラスに 当たった。これを外したら、後がないと思いながら、センタリングに集中する。 あっと言う間に、高度がとれ、15,000ftまで上がった。いままで、サーマルで 上がった最高高度だ!

 高度がとれたところで、スピード・フライトをやめ、ここに来て、密かに計画し ていたことを実行に移すことにした。レイク・タホ・ライドだ。 ソアミンデンの事務所に、観光客用の、グライダー料金表があって、マイル・ ハイ(1マイルの高度に曳航機で、引っ張り上げる?)とか、レイク・タホ・ ライドとかが、メニューに載っていた。 レイク・タホ・ライドとは、要はグライダーで、タホ湖の上を飛ぶんだが、回り が山なので十分高度がないと行けないんだ、これが。なるべく高度を落とさない ように、ゆっくり飛んで少しずつ、タホ湖に近づいていく。11,000ft位で到着、 湖の上は沈下が1ノット以下と小さい。9,000ft以下になったら、引き返そうと 決め、それまでタホ湖の景色を楽しむことにする。


[タホ湖岸上空]

 タホ湖は、水がきれいで岸の近くは、エメラルド・グリーンですごく美しい。 またまた、写真をとる。20分程楽しんだ後、9,000ftになったので、引き返す ことにした。タホ湖と、カーソン・シティを結ぶ峠道に沿って、100ノットで とばし、峠を越えたところで、ダグラス・カウンティ空港に向けて、ファイナル にいれる。空港の上空に、ぴったし5,700ftで到着、ズームアップすると、 簡単に500ft上がった。さすがディスカス。今日はトータルで、約300Km飛んだ。

 今回は、カーソン・バレーの外にでて、本格的なクロスカントリーこそ出来なかったが、強烈な15,000ftまで上がるサーマルは、500Km、1000Kmの可能性を、 十分感じさせてくれた。

 夕方になって、レンズ雲らしきものがカーソン市の上空にかかっている。早川 さんと、カーソン市の日本食レストランについた頃には、はっきりレンズ雲に なっていた。ふたりして、明日は待ちに待ったウエーブだね、と興奮。 明日のために早く寝ることにした。




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